ブランディングNEWS

ナイキのブランディング戦略に学ぶ

　2019年9月15日、2020年東京オリンピック・フルマラソンの日本代表選考会も兼ねた「マラソングランドチャンピオンシップ（通称MGC：Marathon Grand Championship）」が行われました。そこで、「ピンクのシューズが目立つ。あれはどこのメーカーだ？」とナイキが話題になりました。

　しかも、男子1位の中村匠吾選手、2位の服部勇馬選手、女子2位の鈴木亜由子選手も、NIKEのランニングシューズ『ズームX ヴェイパーフライ ネクスト％（ZOOMX VAPORFLY NEXT%）』を着用していたので、単なる話題ではなく、その機能性も見せつけました。

　今回、視聴者の脳裏には、

といった事柄が想起され、再び刻み込まれたことでしょう。

　ナイキはもともと、アシックス（元オニツカ）の米国販売代理店でした。きっと、アシックス陣営は悔しい思いをしているのではないでしょうか？

　ナイキのロゴマーク、スウッシュ (Swoosh) は1971年に商標登録され、躍動感やスピード感が伝わってくるデザインです。また、勝利の女神であるニーケー（NIKE）の翼に似ていることから、社員の声でNIKEというブランドになったと言われています。過去に築かれたロゴデザインとネーミングが、今なお、ブランド価値に根付いている良い例です。

(2019年9月17日)

日本がブランディングで1位に！

出展元：futurebrand.com

米国のブランディング会社が実施している国家ブランド力ランキングFuturebrand Country Indexにて、2014年に続けて、2019年も日本が1位に輝きました。

　評価するポイントとしては、

といった幅広い指針があり、世界1位になったことは本当に誇らしいことです。

　今回は、昔から評価が高かった技術力の高さに加え、訪日旅行（インバウンド）が増えたことも大きいでしょう。そして、実際に訪日外国人旅行者に日本の価値を感じて頂けたということが言えます。

　今後は2020年の東京オリンピックがあります。日本の魅力を世界に発信するまたとないチャンスです。サービス、インフラなど、多方面でのおもてなし精神を発揮できれば、次回、2024年のFuturebrand Country Indexでも再び世界1位に輝くことが期待できます。

(2019年6月30日)

地域ブランディングと今治タオルの炎上

出展元：NHK ノーナレ

　これまで、地域ブランディング、ＪＡＰＡＮブランド事業の成功事例として度々取り上げられてきた「今治タオル」。今、その「今治タオル」がインターネット上で炎上している。

　2019年6月24日に放送されたNHKのノーナレがきっかけとなった。番組では、外国人技能実習生として働くベトナム人達がいかに劣悪な環境で生活しているのかを紹介している。その舞台となった今治地区の縫製工場の特定をしようとする人達が後を絶たず、誤認された企業が炎上し迷惑を受けたり、今治タオルの不買活動にまで発展してしまった。

　バブル後、多額の借金、安い中国製品との闘いに苦しんでいた今治タオル。そこから、「水に浮かべると5秒以内に沈むレベルでの吸水性」といった高品質を柱に、今では有名なブランドとしての地位を確立していた。それなのに、今回はとても残念なニュースとなってしまいました。

　ブランディングの根底には「信頼」が中心に存在します。内部社員はもちろん、下請け企業、時には国内外の発注先工場に至るまで、「信頼」を高め、そして保つための企業努力が問われます。

(2019年6月30日)